kibishii_kewashii_man


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521: 名無しさん@おーぷん 2014/11/30(日)18:46:33 ID:Lkq
結局、全てが嫌になった俺は会社を辞めた。
全てリセットしたくて携帯も銀行口座も変えた。
後で妹から嫁が慰謝料を払いたいと言ってきてると連絡が来た。
俺が頑なに離婚を譲らないから子供と組んで賭けに出たのだと言っていたらしい。
妹が兄は行方不明だと告げると、自頃してしまったのではないかと心配していたそうだ。
しかし今更そんな事はどうでもよかった。
とにかく俗世と離れたかった俺は当てもなく東北に向かい、最終的にそこに定住した。
月収11万の水道検診の仕事で何とか食いつないだ。


さすがにそれじゃ足りなくて日給10000円で水曜日だけボロアパートの管理人の仕事をすることにした。
老人ばかりのアパートで最初は辟易したが、住人が思いのほか俺を可愛がってくれた。
残ったおかずや使わない贈り物やらを俺にくれて大いに生活に役立った。
妹も気にかけてくれてフリマで見つけた服を俺に送ってくれたりした。
久しぶりに訪れた安穏の日々だった。

しかし残念ながらいいことばかりでもなかった。
父が町会の草刈の途中で倒れ、そのまま逝ってしまった。
多分、俺のことでの心労もあっのだと思う。
一応訃報は妹経由で嫁宅にも知らせたらしいが、嫁はともかく二人の子供も葬儀には顔を出さなかった。
父の葬儀のときに妹から嫁が副社長に就任していることを聞かされた。
社長が罪滅ぼしに昇進させたのかなと俺が言うと、社長側は離婚回避したのだから多分そうだろうと妹が言った、
社長夫婦が再構築したという話は初耳だった。
妹宅に尋ねてきたときに知らされていたらしい。
522: 名無しさん@おーぷん 2014/11/30(日)18:46:53 ID:Lkq
ようやく落ち着きかけていた心が、再び怒りに侵食されていった。
生まれて初めて芽生えた激しい憎悪に夜も眠ることが出来なかった。
いよいよ我慢できなくなった俺は親友にそれを話した。
一連の騒動で俺に同情してくれていた親友は、復讐するなら協力すると言ってくれた。
もともと一人暮らしで物欲のない彼は、金も無利子で貸してくれるという。

俺はAさんに久しぶりに会う事にした。
Aさんは、復讐として某アダルト動画投稿サイトにタグを全くつけずに例の映像をアップするんだそうだ。
そして動画のアップ先を会社のメインクライアントのインフォメールに送信すると言う。
リスクは伴うが、訴えられる可能性は低いとアドバイスされた。
訴訟を起こすと知らない人まで話が広まる可能性があるから、大抵の場合は動画削除で話が終わるんだそうだ。
一発目の動画は目線にモザイクを入れて、親しい人以外には本人だと分からない様にする。
しかしその動画はすぐに削除依頼が来るはずなので、二発目の動画に引っかかり易いタグを付けて今度はモザイクなしで大衆の白日の下に晒してみようという事になった。
かなりハイリスクなので最低でも一千万は欲しいといわれた。
法外な額だが親友は金の心配はするなと言ってくれた。
俺は依頼要請し、仕事があるので再び東北へ戻った。
523: 名無しさん@おーぷん 2014/11/30(日)18:47:13 ID:Lkq
数日後、Aさんから動画を打ち合わせ通りアップしたというメールが送られてきた。
正直、人を貶める事に慣れていない俺は激しく動揺した。
せっかく安穏の日々を手に入れた矢先に、あえて再び心がささくれ立つ事をする必要があるのかと自問自答した。
返ってけして消えることのない心の傷を負ってしうような気さえした。

三日後に妹から連絡が入った。
元嫁が血相変えて妹のところに駆け込んできたそうだ。
途方もない損害賠償を課せられることになりそうだから、居所を教えて欲くれないかと、掴みかからんばかりの勢いで言ってきたらしい。
妹は、例え連絡先を知っていたとしても、全てを失った今の兄にそれは何の脅しにもならないだろうと応えたそうだ。
親権まで奪わなければ兄もそこまでしなかったはずだという言葉で、嫁は諦めて帰って行ったらしい。

案の定、一発目の動画はすぐに削除された。
Aさんが直後に二発目の動画を発射しましたとメールを送ってきた。
524: 名無しさん@おーぷん 2014/11/30(日)18:47:29 ID:Lkq
数週間後、Aさんから連絡が来て、社長夫婦が離婚訴訟沙汰になっていると聞かされた。
会社の経営も思わしくないらしい。
Aさんの調査によると、嫁の会社は増益を見込んで銀行から相当な資金を借り入れ、設備投資をしていたそうだ。
例の動画が知れ渡った事が原因なのかは不明だが、かなり契約社員の足切りが行われている様だと教えてくれた。
ほぼ同時期に妹からも嫁の手紙を預かっていると連絡が来た。
動画を目の当たりにして自分がしてきた事の罪深さを痛感しているということ。
自分が報いを受けるのは当然だということ。
しかし子供たちに罪はないということ。
今、学校で動画が明るみに出て、子供たちが学校に行けないでいるということ。
どうかこれ以上、子供たちを苦しませることは止めて欲しいという内容を妹が口頭で読み上げてくれた。
スッキリしたくて行動したはずが、何故か心は晴れなかった。
きっと人を呪わば 穴二つとはこの事を言うのだろう。

Aさんは動画が削除される度にアカウントを変え、執拗にアップロードを繰り返した。
走り出した以上、もう止めたところで仕方がないと思い、Aさんのするに任せた。
数ヵ月後に妹からまた連絡が入った。
いよいよ会社が倒産するらしいとの事。
小額ながら不渡りを出したらしい。
役員に昇格していた嫁も借り入れの保証人になっているらしく、かなり窮地に立たされていた様だ。
子供は嫁の実家に預けたらしいと教えてくれた。

引用元: ・今までにあった最大の修羅場を語るスレ3

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