635: 本当にあった怖い名無し 2012/10/14(日) 00:57:35.23 ID:wR3GhZcH0
夜中に家から15分くらいのところにあるTSUTAYAいったんだけど、何も面白そうなのないからそのまま出た。
帰り道に昔通ってた保育園のそばを通った。
ピンク色の背の高い柵のすぐ向こうが広場になってて、砂場とか滑り台がある。
懐かしいなと思って、ちょっとの間中を眺めてた。
ふと気づいたら、半袖半パンで赤白帽子かぶった男の子が柵の向こうからこっちを見上げててギクっとした。
こんな夜中にあり得ないだろ、とか思いながら面倒ごとに巻き込まれそうな気がしてアタフタしてまわりを見回したけど、人の気配はない。
「おにいちゃんあそぼ」
男の子が柵から手を出しておれのシャツを引っ張ってくる。



637: 本当にあった怖い名無し 2012/10/14(日) 01:10:20.11 ID:wR3GhZcH0
慌てて「ごめんな、おれ帰らないと。こんな時間になにしてんの。はやく帰ったほうがいいよ」
って言って男の子から離れようとしたんだけど、すごい力でシャツ握ってて離れない。
「お兄ちゃんあそぼ」
男の子がもう一方の手を柵から突き出してきたからとっさに身をかわして避けた。
そしたら子供とは思えない力でシャツ引っ張られて、柵に叩きつけられた。
「ねんねのじかんつまんないからぬけだしてきたの。あそぼうよ」
にっこりと笑いながら今度はおれの右手を掴んだ。

639: 本当にあった怖い名無し 2012/10/14(日) 01:24:09.36 ID:wR3GhZcH0
ちょっとヤバいなと思った。心臓がバクバクしだした。
「ねえ、けいさつごっこしよっか。おにいちゃんわるいひとね。いい?」
おれはなんとか離れようとするんだけど、ホントすごい力で逃げられない。
「ねえ、いい?いいっていったらはなしてあげる」
またおれを見上げてニッコリ笑う。
おれはとっさに「うん、いいよ」と言った。
男の子の手が緩んでおれは転んだ。すぐに起き上がって逃げた。
後ろから男の子の楽しそうな声が聞こえてきた。
「じゃあぼくけいさつ。わるいひとはつかまったらしけいね」

640: 本当にあった怖い名無し 2012/10/14(日) 01:39:22.09 ID:wR3GhZcH0
鉄の門が勢いよく開く音と軽快な足音がした。おれは全力で家の方に向かった。

しばらく走って住宅街にたどり着いた。その公園の角を曲がればもうすぐ家だ。後ろを振り返っても誰もいない。
おれは息を整えながらも早足で歩いた。

「わるいひとみっけ」
楽しそうな声とともに、公園の入り口から男の子が駆け足で出てきた。

643: 本当にあった怖い名無し 2012/10/14(日) 01:56:18.70 ID:wR3GhZcH0
おれは逃げた。もう気味が悪くてひたすら走った。

いつの間にか商店街のアーケードにはいった。
左右にはシャッターが閉まった店が並ぶ。

もう限界で息ができなくなって立ち止まった。

「わるいひとつかまえた」
小さな冷たい手がおれの手首を掴んだ。
「しけいだね」


645: 本当にあった怖い名無し 2012/10/14(日) 01:59:32.66 ID:SygJw3g4I
KOEEEEE

646: 本当にあった怖い名無し 2012/10/14(日) 02:09:24.92 ID:wR3GhZcH0
おれはもう疲労と恐怖で混乱してた。暴れたけど男の子ははなしてくれない。
「はなせこら!」
「だめ」
男の子の手の力が強まった。
視界に薄汚いホームレスが寝ているのが目に入った。
「おれじゃない!悪いやつあいつ!」
ホームレスを指差して叫んだ。

男の子はそっちをじっと見て、しばらくして手を緩めた。
「そっか。じゃあつかまえてしけいにしてくる」
男の子が駆け足でホームレスの方へいった。
おれはまた全力で逃げて家にたどり着いた。

648: 本当にあった怖い名無し 2012/10/14(日) 02:16:35.11 ID:wR3GhZcH0
気がつくと朝になっていて、おれは家の玄関にいた。
気を失っていたみたいだ。

太陽の光にホッとしながら右腕を見ると、くっきりと小さな手形が残っていた。

その日のニュースでホームレスの変死体が見つかったと報道があった。首の骨が折られていたとのことだ。

あれがいったい何だったのかは分からない。

引用元: ・死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?304




1001: 以下、おすすめ記事をお送りします: 2015年10月29日 21:19 ID:okusamakijyo