572: おさかなくわえた名無しさん@\(^o^)/ 2016/07/19(火) 22:59:36.14 ID:Cnj+vhT8.net
正確には俺の修羅場じゃないと思うけど。 
俺は二十代の頃、居合道をやっていた。 
居合道がどういうものかを知らない方は、説明すると長くなるので申し訳ないけどググってもらいたい。ただ、居合道は日本刀を使う。 
刀とは言っても、俺みたいな青二才が使っていたのは刃の付いていない模造刀だけど、ぱっと見では本物とは見分けがつかない。 

そんなある休日、一人暮らしのアパートで刀の手入れをしていた。 
刀身に刀油を付けて拭っていたところ、玄関のチャイムが鳴った。 



「はーい」と何気なく出たところ、玄関に立っていたのは新聞の勧誘のおじさん。ただ、おじさん、ぎょっと目を剥いて俺の右手を見てる。
そう、俺はついうっかり、刀を持ったまま玄関に出てしまったのだった。
咄嗟に背中に刀を隠してももう遅い。
「あ、あー、いや、自分、居合やってまして、いま手入れしてて、ついうっかり」
と、しどろもどろに弁解。おじさんもさすがにプロらしく、引きつった笑顔で
「新聞とりませんか」
「とりません」
「そうですか、じゃ、また」
やけにあっさり引き上げていった。
勧誘のおじさんのプチ修羅場だと思うけど、気の小さい俺はその後しばらくあらぬ疑いをかけられて通報されないかとびびりながら過ごした。

今では引っ越しだの結婚だので色々あって辞めてしまったけど、たまに昔を懐かしんで模造刀を握ることがある。
そのたびに思い出す出来事。

引用元: ・「修羅場」という程でもないけどピンチだった事




1001: 以下、おすすめ記事をお送りします: 2016年06月21日 23:49 ID:okusamakijyo