175: 1/3 2015/07/09(木)22:13:27 ID:Dwe
長いですがお付きあい頂けると嬉しいです。

父方の祖父が大好きだった。
家が比較的近かったことと、母が仕事で帰りが遅い日が週に何度かあったこともあり
割りと頻繁に祖父母宅に預けられ、祖父母と夕飯を食べお風呂に入って母の帰りを待っていた。
祖父は私と妹をとても可愛がってくれて、行くといつもお習字を一緒にやったり散歩に行って公園で遊んだりした。




そんなある日、祖父がくも膜下出血で倒れた。
幸い一命はとりとめたが、左半身に麻痺が残ってしまった。
医師から次に出血したら命の保証はないと言われたらしい。

そして時は流れて私が小学校一年生になっ手しばらく経った夏。
祖父が再び出血し入院してしまった。
前回の出血とは違い左脳での出血。
祖父は寝たきりになった。

それでも祖父が大好きだったので、母に連れられて行く見舞いは楽しかった。
祖父に色々話したと思う。
全然覚えていないけど。

夏休みはいつも遠方の母方の祖父母宅で過ごしていたので、その年も同じように行き、田舎の夏を堪能していたら
母から電話で祖父が危ないのですぐに帰って来るように言われた。
その日は流れるプールに連れて行ってもらう予定の日で、妹と朝早くからウキウキ準備していた矢先のことだったので
母方の祖母に荷物をまとめるよう言いつけられて
「嫌だ!プールに連れて行ってくれるって言った!帰らない!約束したのに!」
と大泣きして駄々をこね、母方祖母を大いに困らせたのは良く覚えている。

176: 2/3 2015/07/09(木)22:24:18 ID:Dwe
帰ってから祖父の病院へ行くと、今までとは違いいろんな管につながれた祖父がベッドに横たわっていて
母に促されて恐る恐る近付き「おじいちゃん?」と声をかけると
寝たきりだった祖父がうっすら目を開け、私と妹を瞳に映した瞬間
「うわーーーん!!!」
と、医師も驚くほどの大声を上げて泣いた。
頭を必死に起こしながら、私の手を強く握り締めて。
私が知っている祖父はいつも寡黙で毅然としていて、威厳のあるオーラをまとっていたし
祖父が取り乱したり大声を上げたのを見たことがなかったからすごくびっくりしたのと同時に
まだ7才のほんの子どもだったけど、その姿を見て子どもなりに祖父の無念が感じられて涙が止まらなかった。
病室に集まっていたみんなが泣いた。

それから程なくして祖父は他界。
80歳でした。

今年で二十三回忌を迎える。
もう祖父との思い出も、ほとんどが記憶の彼方に忘却してしまった。
実際、葬儀のことも全く思い出せない。
それでも私の思い出に残る祖父は、暖かい眼差しと寡黙で毅然としていて威厳のあるオーラをまとったまま。
ずっとこのまま私の中にいてくれると思う。
これ以上忘れたくない。

177: 3/3 2015/07/09(木)22:30:24 ID:Dwe
私も結婚して子どもも二人いる。
母になって初めてあの時の祖父の無念が想像に容易くなり
今までよりもさらに、思い出すと涙が止まらない。

祖父に話したかったこと、褒めてもらいたいこともいっぱいあるけれど、それはいつの日か私があちらに行くまで待っててもらおうと思う。

おじいちゃんに会いたいよ。
おじいちゃんに曾孫を見せてあげたかったよ。
おじいちゃんに抱かれた子どもを見ていたかった。
あの時は私がまだまだ子どもだったからそんなこと考えもしなかったけど。
でもおじいちゃん。
私は今幸せです。
だから安心して私を待っててね。

仕事中でも涙が止まらなくなってしまうくらい、どこかのネジがゆるんでしまったようだったので
どうしても聞いて欲しかったんです。
ここまでお付きあいくださった方
ありがとうございました。

182: 名無しさん@おーぷん 2015/07/12(日)22:52:48 ID:bRj

うっかり泣いた
何の作品だったか、「思い出を美化するのは残された者の特権」だって言葉があるよ
どんどん美化していいから、時々かっこよくて大好きなおじいちゃんを思い出すといいよ
おじいちゃんへの土産話、いっぱい作ってね

でももっと話したかったよね
次のお見舞いではこんなことを話そうって想像してわくわくして
大事に出来なかったことを思い出して後悔して
もうじきいなくなるってのはわかってるのに何故かそれが今日明日だとは思いもしないんだよ
辛いね

引用元: ・ただ聞いて欲しいの!ハイ聞きましょう




1001: 以下、おすすめ記事をお送りします: 2017年03月26日 19:49 ID:okusamakijyo